Daniela Bartova
Birth:May.6,1974
Nation:TCH/CZE

 こういう選手がいるから、この世界は面白い。
 1991年の中日カップで来日した、最後のチェコスロバキア選手がバルトワである。
 この大会では、何といっても「最後のソビエト国歌」が心に残るのだが、まあ、それはいい(別の機会に)。正直言って、ボギンスカヤとオノディ、それにチュソビチナ、ミロソピッチといったあたりが注目選手だったので、バルトワの印象はまるでなかった。第一、この年は種目別しか見ておらず、平均台やゆかの印象がないのは致命的。

 で、その後チェコスロバキアないしチェコの(体操界における)地位も急降下、彼女の事などすっかり忘れていたある日…「陸上競技マガジン」だったか「月刊陸上競技」だったかで、私は彼女の名前を見かける。
 当然ながら、名前だけで全然確証はなかったのだが、いつぞやの「陸マガ」に、とうとう彼女の写真が載って、プロフィールまで紹介されるに至り、改めて驚いたという次第。

 種目は「棒高跳」。数年前から記録が公認されるようになったばかりとはいえ、世界記録保持者になったのだから、落ち目のチェコの体操界にとどまっているよりは、賢明な転身だった。
 そういうわけで、1994年は彼女の年だった。ほとんど毎月のように「世界新記録」を作り続けたのである。もっとも当時から、彼女の1cm刻みの「世界新」には、批判の声も多かった。ブプカの1cmとはわけが違う。案の定というか、翌年には空中ブランコから転身(なんでこんなやつばっかりなんやろ?)してきた、オーストラリアのエマ=ジョージに軽ーくかわされてしまい、現在に至るまで、追いついていない。

 1996年の群馬国際室内陸上で4年と3か月ぶりに見るバルトワは、中日カップの時と同じように、やはり地味な選手に戻っていたのだった(笑)。


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1996 Gunma International Indoor Games
1991 Chunichi Cup
Sorry,Japanese Only...
バルトワに関する疑惑